大航海時代 Online

すべてが雪に覆われる、北ヨーロッパの冬。人々の食料は、保存用の塩漬け肉であった。長い冬の間に痛んで腐敗臭を放つ肉。それが、人々の主食であった。 11世紀。十字軍に参加した人々は、東方で魔法の薬と出会った。はるかな東の国インドからやってくる、小さな黒い粒。ふりかければたちまち腐敗臭が消える魔法の薬は、コショウといった。 当時、コショウが通る道は二つあった。小アジア方面からコンスタンティノープルへと続く道。アラビア湾からアレクサンドリアへと続く道。砂漠と海を越えるうちに、コショウの値段は何百倍にも跳ね上がる。地中海の商人たちはコショウを北の国へ運び、巨万の富を得た。 1453年5月29日。この日、オスマントルコにより、ヨーロッパの東の玄関が失われる。コンスタンティノープル、陥落。東ローマ帝国の都コンスタンティノープルは、オスマントルコの都イスタンブールとなった。 オスマントルコは東方からイスタンブールに集まるコショウに、高い関税をかけた。一方、アレクサンドリアから運ばれるコショウはヴェネツィアが独占していた。コショウの値段は高騰し、貿易の収入をコショウに頼っていた多くの国が危機に陥った。コショウをはじめとする香辛料に、絹、金銀に宝石、乳香、茶…。東方からは、さまざまな品がもたらされる。めぼしい産物のなかったヨーロッパでは、東方から伝わる品々はまさに宝であり、憧れであった。だが、東への道が閉ざされたため、これらは幻となりつつあった…。 しかし、東への道は、まだ一つ残されていたのである。外洋へと続く、海の道が。 時は16世紀。はるか東のインドをめざし、人々は未知なる海へと旅立ってゆく…。



